2017年5月14日日曜日

平成29年五月 観音朝詣りのお知らせ


本堂前のツツジ

今年は例年以上に色鮮やかに咲きました。

 名古屋市の熱田神宮の少し南よりを流れる精進川に裁断橋という小さな橋が掛けられています(今はもう流れはなく橋だけになってしまいました)。
古くから神域に入る禊(みそ)ぎの橋であったものですが、江戸時代のはじめにこの橋を豊臣秀吉の北条攻め(小田原の陣)で息子を亡くした母親が33回忌の供養に全財産をなげうって架け替えました。
その母親の筆になる願文が橋の擬宝珠(ぎぼし)に残されています。
 
 「天正十八年二月十八日に小田原の御陣、堀尾金助と申す十八になりたる子を立たせてより、またふためとも見ざる悲しさのあまりに今この橋を掛けたるなり。
母の身には落涙ともなり即身成仏し給え。
(戒名)逸岩世俊と後の世のまた後まで、この書きつけを見る人は念仏申し給へや。
三十三年の供養也」
 
 子を失った母の悲しみと、故人の後生を願う心の痛切さが惻々として心に沁みる文章です。
戦いに死ぬのが武士の常であった戦国の世といえど人の心に変わりはないことがよくわかります。
 
 死んだ子の供養に橋を架け替えたのには訳があります。
橋は渡すものを選びません。
堀尾金助は戦いに死にましたが、橋は敵も味方もともに渡します。
人であろうと動物であろうと物であろうとわけへだてなく渡してその為になります。
この母親は橋を掛けることによって金助が争いと恨みの岸を離れて成仏することを願ったのです。
 
 平成29年5月15日
                                     祥雲寺住職 安藤明之
 
十八日の朝詣りは午前6時から行います。

0 件のコメント:

コメントを投稿