2017年4月15日土曜日

平成29年四月 観音朝詣りのお知らせ

今年のしだれ桜

例年より開花は遅めでした。

銀(しろがね)も 金(くがね)も 玉も何せむに
                    まされる宝 子に如(し)かめやも
                    万葉集巻の五 山上憶良 子を思う長歌の反歌

 有名な歌ですからご存知の方も多いと思います。
「世に宝といわれる銀も金も玉も何ほどのことがあろうか、子に勝る宝はない」という意味もどなたにもわかりやすく受け取れると思います。

 私には6才と2才の孫がいます。
やんちゃな男の子ですがこれがかわいい。
東京から来るたびに成長の早さに驚かされます。
上の子がお兄ちゃんらしく弟を思いやっているのはほほえましく、弟は一挙手一投足がすべてかわいい。
まさに座敷の花です。

 そんな孫たちを見ていると、この子たちの生きる時代が幸せなものであって欲しいとつくづく思います。
この子たちは、これから21世紀を生き、22世紀まで生きるかもしれない。
私には知ることのできない世界です。
でも、その世界がコンピューターに支配されていて、人間が創造性を持って生き生きと生きることのできない世界になってしまうかもしれない。
それよりも前に、愚かな指導者によって世界戦争や、内乱の相次ぐ世界になってしまったら、と心配は尽きません。
 
 幼い子供たちを通して、世界の未来の平安を願う気持ちは、現実的に、そして深く強いものとなってきます。

 冒頭にあげた山上憶良の歌の前には序文があります。

 釈迦如来、金口に正に説きたまはく、衆生を等しなみに思うこと、羅睺羅のごとし。
又説きたまはく、愛しみは子に過ぎたるは無しとのたまへり。
至極の大き聖すら、尚し子を愛しむ心あり。
況んや、世間の蒼生、誰か子を愛しまざらむ。
              (註)羅睺羅とはお釈迦様の実子の名前です

 私に残された時間は少なく、たいした力もありませんが、それでも世の幸せを願う祈りだけは絶やせません。

 平成29年4月15日
                                    祥雲寺住職 安藤明之

十八日の朝詣りは午前6時から行います。

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