2011年9月15日木曜日

平成23年9月朝参りお知らせ


山門前の百日紅(さるすべり)、去年よりも開花が遅れた。

 台風12号は、平成最大の台風被害をもたらしました。
激甚地となった紀伊半島は日本一の木どころ、林業地ですが、林業の衰退による過疎化或いは山林の荒廃とこの度の被害の大きさは、無関係ではないと思います。
 昭和の最後のころ、森林資源の無駄遣いとして割り箸がやり玉に挙がりました。その時に、奈良県の林業家からの新聞投書がありました。その趣旨は、間伐材の貴重な需要先としての割り箸をなくさないでくださいというものでした。私はそれを読んで、ものごとを単純に考えてはいけないことを思い知りました。
 豊かな森林の恵みは、林業のみならず、農業、漁業に及びます。さらには、良質の水を生み、空気を浄化するなど都市生活の基盤となっています。日本は国土に占める森林の面積比率が世界で最も高い国の一つであり、それが日本の豊かな国土の源泉になっています。
 そして、その森林のほとんどは人工林です。日本は森を作ってきた国です。その林業が行き詰っています。
 原因は多岐にわたるのでしょうが、何といっても、日本産材木の需要が少ないのが一番の原因です。
 そこで、祥雲寺では法事に用いる卒塔婆を3年前から間伐材に替えました。卒塔婆の材料は、国産樅材が払底し外国産材が使われています。間伐できないことが山林荒廃の原因の一つなので、間伐材使用は意義あることと思います。
 さらに今年からお施餓鬼の卒塔婆を、県内産の杉材に替えました。戦後大量に植林した杉は、建築工法の変化とともに需要が大きく減りました。荒れるに委せた杉山が全国に広がっています。
 間伐材(これも杉材ですが)、杉材、ともに外国産材に比べて見た目が悪く、しかも割高ですが、ささやかでも林業振興の一助になればと思い、かようにさせていただきました。
 お檀家の理解を乞うとともに、同様の試みをする御寺院があることを願っています。
 
 平成23年9月15日
                                       祥雲寺住職 安藤明之
 十八日の観音様の朝詣りは
 午前6時から行います。

0 件のコメント:

コメントを投稿