2009年6月25日木曜日

本堂改装工事3(天井絵設置準備と床暖房工事

工事も順調に進み床暖房の設置工事が始まりました。


本尊様をお祀りする内陣、法要を行う導師が入る大間の畳を外し
床暖房用の畳と入れ替えることになります。


天井絵を描かれた杉山寒月先生のアトリエから天井絵が搬入されました。
天井絵には2種類あり、天井中央部を飾る花鳥風月絵はそのまま設置、
その周辺を飾る飛天絵は板に張り替えられてはめ込まれることになります。


東室中での張替え作業。
張替えは上野の石井三太夫表具店にお願いしました。


外壁の塗りなおし作業も順調に進み、二階外壁の作業が終わって
足場も徐々に減ってきました。


エレベーター設置に伴い、車椅子の方でも不自由なく階の行き来が出来るよう
エレベーターまでのスロープの設置工事も始まりました。
工事している間何度も業者さん方と会議をして細部を詰めるのですが
このスロープ一つとっても角度をどうするか、表面の材質はどれにするか、幅はどのくらいにするか、角はどうすれば使いやすいか、壁からはどの程度間隔を取るのか、可動式にするか設置式にするか等等
課題が幾等でも出てきて遅くまで話し合いが続くこともしょっちゅうです。
建築というのが如何に細かい積み重ねで出来ているのか、関係者の根気の強さに日々感心します。


エレベーター工事も山場を越え
中のかごも取り付けられました。
ついに祥雲寺もバリアフリー化するのか、と思うと時代の流れを感じます。

本堂改装工事2(本堂内陣の工事準備

今回の本堂改装工事では複数の工事を一緒に行っています。
・外壁の塗りなおし
・床暖房の設置
・エレベーターの設置
・格天井(ごうてんじょう)の作り直し、天井絵の設置
・欄間彫刻の設置

この内天井絵は本尊様をお祀りする内陣と呼ばれる場所の天井に入ります。


こちらが現在の祥雲寺内陣、ご本尊お釈迦様です。
これから工事になる為裏手の位牌堂に遷座して頂き、


内陣が広々としてしまいました。
この部屋がこんなに大きかったのかと初めて思いました。


こちらが只今本尊様を御祀りしている位牌堂です。
祥雲寺の本尊様は等身大のお釈迦様ですが
遷座の際に修繕する必要がみとめられた為
現在の本堂が完成した際に新しい大きな本尊様の中に収められた
昔の小さなお釈迦様がお出ましになっています。


内陣の天井部です。
この格子を取替え、間に天井絵がはめ込まれていきます。


こちらは内陣の東側を飾る一枚彫りの彫刻です。
東と西とでお釈迦様の一代記になっており
東側は誕生から四門出遊、出家され悟りを開かれるまでが彫られています。


こちらは内陣西側の彫刻です。
悟りを開かれた後の布教の遍歴、涅槃に入られるまでが彫られています。


正面北側を飾る彫刻です。
左右底辺にお釈迦様の高弟である十六羅漢、全体に五百羅漢が彫られ、
中央上部に祥雲寺の寺紋である三つ巴、
中央下部に祥雲寺檀信徒を表す優婆塞(うばそく、男性)優婆夷(うばい、女性)が彫られています。
昭和23年にもらい火ですべてが焼け消えた祥雲寺が見事再建され、現在も存続しているのは
支え続けてくれたお檀家方あればこそ、との意を込めて中心に優婆塞優婆夷が彫られているのだと教わりました。

2009年6月6日土曜日

本堂改装工事1

5月中旬から本堂の改装工事が始まりました。
月末になりようやく外装の塗り直しをするための足場が完成し
本堂の外見も大分様変わりしました。


正面口と2階への外階段以外全面覆われています。


覆いの中から撮影。
黄色や赤の落書きのようなものは
補修が必要なヒビや塗装の浮きを示しているそうです。
折角ですので足場を上ってこれまで見たことのない天井付近まで行ってみました。


初めて間近に屋根の銅板を見ます。
思いのほか傾斜角が緩やかですので
ここで酒盛りとかできそうだ、と言ったら同行してた業者さんが大笑いしてました。


正面にかけられた額。これだけ間近に見られるのはおそらく人生でこの時だけでしょう。
書いていただいた人の名前もはっきり読めます。


額の前に飾られた鳳凰の彫り物。
30年以上雨ざらしの屋根前面に掛けられていた割には殆ど痛んでいない、と
業者さんも感心していました。
30年前の本堂建設に引き続き、今回も東京の飛島建設に改装をお願いしていますが
この鳳凰は建設の際に飛島建設で寄贈していただいたものだとのことです。
彫り物で有名な北陸の井波で作成されたものだそうです。

入り口横の小山、補強工事開始

以前三月ごろこちらでも書きましたが
正面入り口横にある33観音霊場の終わり3札所が祭られている小山の崖が
夜中崩落しました。


ようやく5月の末から崩落した石の撤去と崖の補強に着手し始めることができました。
重機でもなかなかどかせられないので
くさびを打ち込んで小さくしながら引き落としていきます。


今の祥雲寺本堂が建っている場所は昔は山でした。
昭和23年祥雲寺がもらい火で火事になり、
昭和50年ごろ山を削り、平地にした所に本堂を再建したのです。

境内の幾つかの個所には当時削り取った後の地層がむき出しで残っています。
その為昔何度かあった化石ブームの際、地元の子供が化石の採掘にたくさん訪れたそうです。
まったくの想定外でしたが、当時彫りこまれた箇所が今回の崩落の原因だとか・・。

今は殆ど埋まってしまいましたが崩落個所の下にかなり深く彫りこまれた箇所がありました。
いや何事も侮れないものです。


この小山自体大分もろい個所が目立つ為、これを機会に全体を補強することになりました。
全体を石で覆い、ピラミッド状にして出っ張りを削って城の石垣みたいに囲ってしまう様です。
石屋さんの手が空いている際に少しずつ進めていくことになるので完成は来年になります。
職人さんの腕は確かですので完成が今から楽しみです。