2014年11月15日土曜日
平成26年11月観音朝詣り
華は愛惜(あいせき)にちり、草は棄嫌(きけん)におふる
道元禅師「正法眼蔵現成公案」
境内の紅葉がさかりです。
といっても、すでに散り終えた木もありますし、これから枯れ葉となって一斉に葉を散らす木もあります。
自然は、刻一刻変化をやめません。晩秋、初冬の朝にはその変化のさまが心にしみいります。
十月の末、表に出ると朝日射す本堂前庭を背景に、色づいた葉と緑のままの葉を付けた楓の枝が重なり合って、コントラスト鮮やかに目に飛び込んできました。高く澄んだ空にはすじ雲が流れます。さまざまな鳥の声、群れ鳥の声にさえ風情を感じます。
十一月十日は濃い霧でした。陽に映える鮮やかさはありませんが、しっとりと霧に包まれたモミジの色合いが何とも美しい。
晴れた昼下がり、おだやかな風を受けて色づいたケヤキやヤマボウシの葉がはらはらと散ります。よく見ると一枚一枚はみな同じではありません。赤や黄だけではなく、茶色やシミのような黒、緑を残したものもあります。一枚一枚の葉が異なった有様で生きてきた証しです。シミがあっても風情もあり美しくもあります。
そしてそこに人の世を重ね合わせました。人生さまざまであっても、ほかには替わることのできないかけがえのなさと素晴らしさがあるのだと。
変化無限の景色は美しく、それを成り立たせる一つ一つも愛(いと)おしい。こんな感情を持てるのも、心のはたらき一つです。
心の働きには、喜びもあれば愛着もあり、苦しみ、悲しみ、怒り、後悔、憎しみもあります。迷い多き人生でも、生ききっていく時、すべてを包み込んでくれる奥深さを持っているのがこの世界なのだと感じさせてくれる落ち葉の季節です。
平成26年11月15日
祥雲寺住職 安藤明之
十八日の朝詣りは午前六時半から行います。
秩父観音霊場午年総開帳巡礼(第三回、11月8日)
十一月八日、三回目の秩父へのお参りに行ってきました。
この週末から天候が崩れるとのことで心配していたのですが
参加者の徳のおかげか、夜までもってくれたので
紅葉に彩られた秋の秩父を堪能しつつお参りができました。
25番久昌寺に到着 |
観音堂前で読経 |
一月ぶりなので思い出しつつのお唱えに |
観音様と手をつないで |
山門前で記念撮影 |
二十六番山門前の紅葉 |
二十八番お参り、秋の深山にお唱えが響き渡る |
天へと橋渡す橋立堂 |
可愛らしい巡礼装束 |
秋に彩られた巡礼の道 |
三十一番、崖の上の観音堂 |
三十二番山門前、日本一の石の仁王様 |
三十四番水潜寺、夕闇の中最後のお参り |
午年総開帳 観音様の御顔を仰ぎ見てお参りできる12年に一度の年 |
参加者の協力のもと、とても良い巡礼の旅とすることができました。
祥雲寺では毎年の本山参拝と共に、定期的に全国の霊場札所巡りを行っています。
再来年あたりにまた西国や四国等の巡礼参拝を計画したいと思います。
檀家に限らず興味を持たれた方の参加は大歓迎です。
多くの方にご参加いただき、仏縁を持っていただければ幸いに思います。
2014年11月11日火曜日
峨山禅師大遠忌予修法要(10月17日)
先月の17日、祥雲寺本堂にて峨山禅師大遠忌予習法要を行いました。
曹洞宗には本山が二つあります。
福井にある永平寺と横浜の總持寺です。
峨山禅師は横浜總持寺の二世としてたくさんのお弟子を育てられ、今日全国に1万5千ヶ寺と言われる曹洞宗教団の発展を遂げる源となられた方です。
来年が亡くなられてから650回忌となるので大遠忌と呼ばれる大きな法要を行い、峨山禅師の行跡を偲ぶ年として準備を進めています。
今年はその前年となるので全国各地の曹洞宗寺院で予め峨山禅師の供養の法要を行い、来年の大遠忌を迎えることとしています。
祥雲寺では今回栃木青年会の協力のもと、正式な作法にのっとりこの予修法要を行うことができました。
9時半より住職による仏教勉強会「第32回仏教を知る回」 |
10時半より法要開始、祥雲寺ご詠歌講と県内のご詠歌師範による奉詠でスタート |
若手僧侶による両班(大徳の僧達による左右に列を組んでの法要参加) |
献供(本尊様、峨山様へのお供え物を導師が薫香して献じる) |
参加者による焼香 |
本尊様、峨山様の位牌を斜め前から |
記念撮影 |
来年6月には峨山禅師大遠忌に参列する参拝旅行を予定しています。
多くの方にご参加いただき、峨山禅師の遺徳に触れ、曹洞宗に親しんでいただければと思います。
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