観音札所道中 |
天皇皇后両陛下は、本年6月、即位以来5度目となる沖縄行幸啓をされました。6月が沖縄戦終結の月です
終戦60年目の平成17年にサイパン島に行かれ、70年目の来年には、パラオ諸島など南太平洋の島々を訪ねたいとのご希望だそうです。いずれの行幸も、戦死した兵士達、犠牲になった民間人、さらには現地の人たちもふくめた多くの御霊への追悼のためでありましょう。
成算なき戦場に追いやられ、米軍の銃火にさらされ、玉砕し、自決し、果ては餓死に至った人々、原爆や無差別爆撃の犠牲になった人々。これら何百万の人々の無念さを思い遣る時、だれしも反戦の思いを強くします。昭和の戦争は、日本国民共有の悲しみであり悼(いた)みです。
両陛下の行幸啓には、追悼だけでなく、皇室として責任を取る御心が働いていると、私は感じます。
戦争に到るまでには、さまざまな政治的、外交的、歴史的要因があり、あるいは不可避であったかもしれない。一部の人たちに責任のすべてを押し付けることはできません。
しかし、あの無謀な戦争を引き起こし遂行した責任を、歴史的必然から来たこととし、指導者が責任逃れをして良いはずもありません。戦争は天皇制のもとで起きました。
私の父が、天皇の馬鹿野郎と言ったのを、何度か聞いたことがあります。シベリヤ抑留まで含めると足かけ10年、兵卒として下士官として軍隊にいた者の偽らざる気持ちです。
昭和天皇は、いのちを賭して終戦を決意し、8月15日の詔勅を読まれました。日本史上最も英邁な君主であった昭和天皇でも取り切れなかったその責任を、今上陛下は受け継いで取られていると思うものです。
震災の避難所で正座をされて被災者に言葉をかけられている両陛下には、国民とともにおわすという御心がにじみ出ています。このような方の追悼はまことにありがたいと思います。
平成26年8月15日
祥雲寺住職 安藤明之
十八日の観音様の朝詣りは
午前六時から行います。
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