先月の朝詣りが始まる直前、私は転倒して頭を強く打ち、国立宇都宮病院に入院いたしました。幸い、手術することなく院内での投薬による治療ですみました。
入院は私にとっては生まれて初めてのことでした。入院患者としていろいろと考えることがありました。
私も入院当初には肉体的な辛さがあったのですが、これは入院するほどの患者なら誰もが感じていることでしょう。重症の人と比べれば実際に私程度は問題にもならないものでしょう。
肉体的、精神的辛さを乗り越えていくのは、忍耐力、希望、あきらめなど、それぞれの患者の意思や力によります。しかし、それを支えてあげる人たちの力も大きなものです。
私の場合には、妻はもとより、遠くにいる子供たちが何度も来てくれました。家族がそばにいる安心感はかけがえのないものだと実感しました。
また病院のスタッフの丁寧さに感心しました。医師は信頼の中心です。毎日来てくれて経過を話し合ってくれることが安心感となり、闘病の励みになります。そして看護師さんたちの分け隔てない親身さには感心しました。同室にはしょっちゅうナースコールをして怒鳴りまくっていた人もいました。病状からやむを得ないかもしれません。そういう人にたいしても、すぐにきて丁寧な看護をしていました。
母の最晩年、何度か老人ホームのショートステイを利用いたしました。いくつかのホームに行ったのですが、その時に感じたのは、老人にとってありがたいのは、設備が新しくて見かけがよいことよりも介護スタッフの親身さであるということでした。それは、今回の病棟でも感じたことです。
高齢社会が進んでいく中で、看護や介護は益々重要な社会問題になっていきます。その中で一番大切なことは、人と人との結びつき、親身さ、いわば心を大切に考えることです。
平成25年2月15日
祥雲寺住職 安藤明之
この度のことでご心配いただいたことに感謝申し上げます。
今月十八日に観音様の朝詣りは、勝手ながら
午前9時からにさせていただきます。
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