2011年10月17日月曜日

平成23年10月朝参りのお知らせ


秋晴れの空と祥雲寺本堂



曹洞宗はお釈迦様をご本尊とし、永平寺、総持寺を同格の大本山とする宗旨です。そして永平寺開山道元禅師、総持寺開山瑩山(けいざん)禅師を両祖とします。一般的に使われる宗祖という言葉を使わないのは、宗祖というとどうしてもお一人を指すと考えられてしまうからです。
 瑩山禅師は道元禅師より懐弉禅師、義介禅師と次第して、日本曹洞宗では4代目に当たる方です。その方がどうして道元禅師と並び称せられるのでしょうか。それは宗派としての曹洞宗を確立した方だからです。
 曹洞宗はお釈迦様の正しい教えを祖師から祖師へと代々伝えてきたことを信仰の核とします。お釈迦様から直接に法を継承した迦葉尊者を第1祖として、道元禅師は第51祖に当たります。代々の祖師は仏教で一番大事なこと、一大事を明らめる(それを悟りとも身心脱落ともいいます)ことによって法を伝えてきました。
 瑩山禅師も義介禅師の印可証明を受けて54祖となりました。そのことでいえば歴代の祖師はすべて同格です。
 道元禅師に帰依した僧侶の中には平安末期に日本独自に興った達磨宗という僧団に属していた人たちがいました。懐弉禅師や義介禅師がそうです。さらには義介禅師の弟子として瑩山禅師もその流れを汲んでいるともいえます。
 瑩山禅師は、釈尊から懐禅師に至る歴代祖師のそれぞれの悟りの契機を述べ、道元禅師の教えこそが曹洞宗の命脈であることを弟子たちに示しました。これによって曹洞宗という教団が生まれ、その弟子である峨山禅師に始まる曹洞宗の大発展がありました。
 具体的には、たくさんのお寺が建てられていったのです。そのお寺の多くは、地方の小領主や農民によって建てられました。寺を守り伝えたのもその人たちです。先祖の御霊を守り民衆の心の拠り所となる寺院が建てられていく、その基(もとい)が瑩山禅師によって確立されたのです。
    平成23年10月15日  祥雲寺住職  安藤明之

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