8月13日10時より、本堂前にて迎え火
東日本大震災から早くも5ヶ月が経ちました。
テレビを付けると、被災地ではボランティアの人たちの手を借りて倒れた石塔を起し、お盆を迎える為の準備をしていました。今年は、2万名余の人々の初盆になります。被災地の人にとってあの惨禍の記憶はあまりに生々しく、涙つきないことでしょう。心から同情し、お慰めを申し上げます。
あの地震が起こった時、私たちはこれは日本の大きな転換点になると感じました。
1990年代からの経済の停滞があり、リストラ、失業率の上昇など明るさの見えない社会状況が続いています。政治では、55年体制といわれる自民党中心の政治が、国民のニーズに対応できなくなりました。そして変革の期待を担って登場した民主党政権ではひどい失望を味わっています。
戦後社会への行き詰まり感があり、私たちの心の中に醸成されていた変革への思いが、未曾有の天災に直面し、より強く意識されたのだと思います。
行き詰まり感は、これから先は国が衰退し国民も窮乏に向かっていくのではないかという不安感であり、変革を願いつつも先行きがいっこうに見えてこない焦燥感です。
しかし、ここに来て、私たちがなすべきことがはっきりしてきたのではないでしょうか。
それは、勤勉、忍耐、協調、団結、信頼、思いやりなど、昔から培われてきた価値観に基づく行動です。
困難に耐えて頑張っている被災地の人たち、全国各地から駆けつけたボランティア、あるいは不遇をものともせずに団結して世界一になったなでしこジャパン、これらの人々の姿の奥には昔からの美徳が息づいているし、私たちはそのことに共感し感動しています。
8月15日の何もかも失った時から出発した日本、、原点に還って再出発していく勇気を持とうではありませんか。
平成23年8月15日
祥雲寺住職 安藤明之
18日の観音様の朝詣りは
午前6時から行います。
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