2010年3月15日月曜日
平成22年3月朝参りお知らせ
み仏も しあわせ満ちて おわすなれ
彼岸会の朝 香華満ち満つ (梅花流御詠歌)
彼岸会は、春分の日、秋分の日に太陽が真西に落ちることから、西方浄土が一番身近に感じられる時として、御先祖に想いを致し感謝の祈りをささげる年中行事です。
また、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、天地陰陽の交代する時節であり、この時に持斎して行いを慎むと大きな功徳が生まれるとされました。
実際、季節の移り変わりがはっきりしている日本にあって、春秋のこの時期は、風のそよぎ、光と影の移ろい、動植物のありさま、すべてに変化が感じられます。肌で感じる変化は時の移ろいを感じさせ、自然の素晴らしさを感じさせてもくれます。このようなときに私たちがこの世界に生かされて生きていることを実感し、そのことに対して感謝の思いを持つのはそれこそ自然なことであると思うのです。
しあわせとは、お互いが感謝の思いを持って生きるときに生まれるものです。そして感謝こそが宗教の本質です。
現在、「宗教」という言葉はほとんどがマイナスイメージで使われます。「宗教」というと何かうさんくさいものとされ、公的な場からはどんどん排除されているのです。これは現代人が、目に見えるものしか信用しない、目に見えないものはお金や物に換算して価値を計っている所からきています。しかし、本当の価値は目に見えないもの、物差しでは計れないものの中にあるのです。
最初の御詠歌の「み仏」は、「ほとけさま」と「御先祖」両方の意味にとれます。いのちをいただいたものへの感謝の思いを持って香華を手向ける。手向けた者にも、手向けられた方にも安らぎがあります。それが朝日に映えて澄みきっていてすがすがしい、そんな和歌です。
平成22年3月15日
祥雲寺住職 安藤明之
十八日の観音様の朝詣りは
午前6時から行います。
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