今回最長の行程になります。
三陽荘から撮った朝焼けの岬。
この宿は36番札所のすぐ前に建てられていて、
何でも近年お大師様の掲示を受けてお遍路さんのお手伝いに取り組める場所として経営されるにいたったそうです。
施設も食事もよく気を使っていただき、皆ゆっくり休むことができました。
宿を出て朝日がまぶしい中、最初の36番札所青龍寺に到着しました。
ここは何でも相撲の朝青竜関の名前の由来になったお寺だそうです。
過去朝青竜関も上り下りした170段の石段をみんな元気に昇っていきます。
お参り了って駐車場前にあるお接待所で一休み。
ここは珊瑚細工工房に併設されていますが
四国では至る所にお遍路さんを接待してくれる休憩所があります。
こちらの言葉では善根を示す、といった表現になりますが、
土地の人たちが無償で旅のお遍路さんをもてなしてくれる習慣が根付いており、
一人で行動する歩き遍路等には特にありがたいものになります。
お遍路の旅路を「同行二人」という言葉で表現します。
弘法大師ゆかりの霊跡を巡る難行を、大師の名とともに行くことからくる言葉ですが
それは同時に、
個人の力、一人のみではこの難行をなしえないことから
「お蔭様で」という言葉を実感する修行なのだという意味を持っていると思いました。
お参りが済んで次は足摺岬方面に向かいます。
同中渡った四万十川の川沿いにある食堂でお昼を頂きました。
土産物屋も併設されていたので見て回っていたらこんなキーホルダーを見つけました。
昔懐かしロボットのパロディキーホルダーのようですが
昼過ぎに足摺岬の札所、38番金剛福寺に到着。
ここは昔補陀落渡海という行が行われた場所としても有名で、
その為なのか本堂前に大きな池が整備され、一風変わった境内になっています。
補陀落渡海というのは南の海に向かって浄土を求め、帰らない旅に出る行のことです。
華厳経というお経にある南の浄土を補陀落と言い、チベットのポタラ宮の名もこれに由来します。
昔の人は南の海の向こうに浄土を夢見て、最も近くなる四国最南端の足摺岬をその信仰の地としたのかもしれません。私はこの話を聞くたびに今昔物語の源太夫の話を思い出します。
お参り了って足摺岬の展望台に来ました。
空は秋らしくあまり奥行きがない青色です。
上空では風の流れが強いせいか、速い速度で雲が流れて行きました。
良い景色を堪能できましたが、ここで時間を取りすぎたため宇和島到着が7時近くになってしまいました。