2009年9月17日木曜日

平成21年9月朝参りお知らせ



自分を苦しめず、また他人を害しないような言葉のみを語れ。これこそ実によく説かれた言葉なのである。        
      {釈尊の言葉 中村元訳『ウダーナ・ヴァルガ』より}

 曹洞宗では、宗門の教えを広めていくために毎年標語を定めています。今年の標語は「愛語」です。
 愛語とは慈悲の心を持って言葉をかけてゆくことで、お釈迦様が説かれ、以後、仏教徒が世の人々に救いの手を差し伸べてゆく志を持った時、かならず実践していかなくてはならない徳目とされてきました。道元禅師様にも愛語について述べた有名な言葉があります。
 今年8日、東京でこの愛語について檀信徒の皆様にどのように伝えたらよいかを学習する研修会がありました。その時に講師の奈良康明駒澤大学名誉教授のお持ちいただいた資料の中に冒頭に掲げた言葉がありました。
 奈良先生は、「自分にも喜びとなり、他人にも喜びとなることばを語れ」とお釈迦様はおっしゃっていると説明しました。なるほどと納得いたしました。
 お追従(ついしょう)は、聞いた人の喜びにはなっても、話す人の喜びとはなりません。その人が本当に心に思った感動や、励ましや、忠告をこそ語るべきなのです。そして、その言葉は相手を自分と同じく見、自分を相手と同じく見る深い思いやりの心に裏付けられていなければなりません。相手のためを思う忠告でも、それが相手の心を傷つけることがないように細心の注意を払うべきなのです。
 お釈迦様の言葉は、簡潔で、しかも慈悲心にあふれた深い意味を持っていることを、この言葉はよく示しています。
 平成21年9月15日    祥雲寺住職安藤明之

十八日の観音様の朝参りは午前6時から行います

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