境内の紅葉 |
寺の屋根にとまるアオサギ。 |
日本では仏壇と位牌をとても大事にします。
仏壇の起源についてはいろいろな説があります。
古代に帰属が仏像を屋敷内に祀った持仏堂が小型化したという説。
家の中に祀られたであろう小さな仏像がインドやシルクロードの遺跡からもたくさん出土していますから、日本だけでない古い起源になります。
お盆に先祖の御霊を供養するために設けた盆棚が家屋内に常設されるようになったという説。
7月15日に川の畔で亡き人のために供養をするのは現在のヒンズー教でも行われていますので、盆供養はインドに由来しますが、棚を設けたかどうかは分かりません。
鎌倉時代に先祖を祀るために室内に置かれた「押し板」という床の間の起源と同じものが変化したとする説もあります。
位牌は中国のものです。
死者の名前や官位を記して祭礼に用いたものですが、鎌倉時代以降に禅宗が伝え、戒名が記されて礼拝されるものとなりました。
仏壇とお位牌の組み合わせが広く普及したのは江戸時代です。
日本独自の信仰文化といっていいでしょう。
そして、とても素晴らしいものです。
何が素晴らしいのかというと、感謝を捧げるものが身近に会って、毎日少しの時間でも感謝のひとときを過ごすことができるからです。
仏教徒として正しい生き方の根本にあるのは「感謝」です。
お釈迦様は、人間がこの世の無限の恵みによって生かされていることを自覚し、生きとし生けるものと共に生きていることを喜びとすることが感謝であり、それが幸せへの道であるとお説きになりました。
仏壇に祀られている父母は、直接に私たちに命を与え育ててくれた人であり、その先にはご先祖がいらっしゃいます。
その前で感謝の思いは自然に湧き上がります。
その感謝の思いを、さらに大きな天地万物への感謝へと導いてくださるのが仏壇の中心の本尊様です。
毎朝、仏壇の香炉にお線香を立てて心を込めておまいりをすることは、私たちが正しく生きていくことができる支えとなります。
平成29年11月15日
祥雲寺住職 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時半から行います。
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