弁天さまのお堂。 |
5月に境内の弁天堂に泥棒が入りました。
新聞に載りましたのでご存知の方もいると思います。
5月17日に弁天堂を掃除していた中川さんが、堂内にある小さな木彫りの像がなくなっていることに気が付きました。
石彫会の渡辺さんが彫った琵琶を持つ弁天様の像で、心を込めて彫り上げたものを粗末にはできないと思い、弁天堂に納めたのです。
その時は、それしか気がつかず、警察にも届け出ませんでした。
ところが、中央警察署の警察官が尋ねてきて、祥雲寺からの盗品を預かっているのだが心当たりがないかと尋ねられました。
別の容疑で逮捕された泥棒の部屋を捜索したら、祥雲寺の名前の入った絵馬があったというのです。
盗まれていたのは、木像、絵馬のほかに何とご本尊弁財天像が右手に持つ剣と左手の掌に持つ宝珠でした。
目の前におがんでいながら気が付かなかったのです。
何とも恥じ入るばかりであり、弁天様に謝罪申し上げねばなりません。
調書に記載する必要があるというので、損害額を聞かれました。
さて、いくらになるのでしょう。
7月7日の弁天祭りの前にすべて戻ったのですから、実質の損害はありません。
そもそも、信仰の対象に値段をつけることは出来ません。
テレビの人気番組「なんでも鑑定団」などで、仏像にとてつもない値段がつけられることがあります。
人の嗜好の対象である骨董品、美術品として商取引されることを前提にしています。
しかし、仏像や神像は信仰されてこそ価値があるのです。
祥雲寺の弁天様は、もともと前の小学校のところにあった沼地の祠にまつられ、おそらく何百年と信仰されてきました。
御像も古いものですが、骨董的価値のあるものではありません。
それでもありがたい。
宗教的なものに関心が無いのは、一般的な風潮のようです。
このことで取材に来た若い新聞記者が、「宮司さんはいますか」と言ったのにびっくりしました。
確かめたら寺も神社も代表は宮司と言うと思っていたようです。
平成28年8月15日
祥雲寺住職 安藤明之
十八日の朝詣りは午前6時から行います。
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