2016年6月26日日曜日

28年6月 月例早朝坐禅会「指月の会」案内

祇園精舎の菩提樹
「放下着」(ほうげじゃく)
                      中国唐代、趙州和尚



 先日NHKスペシャルで「キラーストレス」という題名の特集がされていました。
現代社会で日々受けるストレスが、時には脳の機能をも損なうほど深刻に害をもたらす場合もあり、そのキラーストレスにいかに対処するか、という内容でした。

 第一の対処法は、宇宙飛行士が宇宙空間という一切余剰のない空間で行っている手法を例に挙げ、小さいものでも自分がストレスを晴らせると思う対処行動をまず10個以上、できれば100以上列挙し、ストレスを受けていると認識したら即座にそれを行っていく「コーピング」というものでした。

 第二の方法として挙げられたのが「マインドフルネス」。
昨今医療、教育、ビジネスなど様々な場所で行われているストレス対処法で、「こころのエクササイズ」などといった言われ方もされているとのことです。
しかしこれは言い方を変えただけで、やっていることも目的とすることも坐禅と全く同じもののようでした。

 静かな環境に身を置いて、姿勢をを正し呼吸を整え、只座って深く穏やかに呼吸に集中していると、自然と心も落ち着いてきます。
その過程で過去の記憶や未来の想像が頭をよぎっても、今に集中している「只、今」の自分には余計なことです。
今現在の生命をそこねる重荷でしかありません。

「捨てれば必ず軽くなる
捨てて、かろやかに生きなさい」    -『スッタ二パータ』-

この坐禅会が、多くの人にいのち本来のかろやかさを取り戻す場となれば、大変うれしく思います。

                             祥雲寺副住職 安藤淳之



一人で修行を行おうとすると、怠けてしまったり後回しにしてしまい続かない場合もあります。
ですがみんなで行えば、難しいことでも楽しく行えるはずです。
この朝坐禅会はそのような場となるよう始めました。
一日の始まりを迎えるこのひと時、ご一緒に「かろやかに」生きてみませんか?

日時:6月27日(月)朝6時半~8時(途中参加、途中退出可)
     6時30分~7時10分(一回目の坐禅)
     7時20分~8時    (二回目の坐禅)

場所:祥雲寺本堂一階

用意:身一つで大丈夫です。
    足の組めない方は椅子での坐禅もできます。


また、祥雲寺では毎週水曜夜6時(第四水曜のみ休み)、雀宮布教所「善応院」にて坐禅会を行っています。
7月第一週(6日)は行事前日の為お休みになります。

2016年6月18日土曜日

平成28年大本山永平寺参拝旅行(6月13日~15日)

 
曹洞宗には本山が二つあります。
福井にある大本山永平寺、そして横浜鶴見にある大本山總持寺。
祥雲寺では毎年交互に大本山をお参りし、併せて観光旅行を楽しんできました。
今年は新しくできた北陸新幹線に金沢まで乗って福井永平寺へお参りし、白山林道を通って白川郷、高山を観光してきました。
 
兼六園。雨に濡れたつつじ。

永平寺門前で記念写真。

初日は永平寺に宿泊。夜の坐禅会。


二日目、白山ホワイトロートの滝の前にて

白川郷の大橋にて。


白川郷の寺前に咲く紫陽花。

白川郷。

円空仏のお寺。高山千光寺へのお参り。

円空仏(許可を得て撮影)

円空仏

夜、宴たけなわ。


宿泊した高山花扇ロビー




飛騨の朝市にて

新穂高ロープウェイ山頂


山頂2

二泊三日の行程中、好天には恵まれませんでしたが、楽しい道中になりました。
また来年もよいお参りができるよう企画していきたいです。

2016年6月11日土曜日

28年6月朝詣りのお知らせ

今年も梅雨入り。紫陽花の季節。



 江戸時代、正大の北方六里に吉岡という宿場がありました。
その宿場は、藩御用の物資運搬を責任を持って勤める伝馬役を課せられて苦しんでいました。
馬や人夫を無償で手配するのですから重い年貢と同じです。
負担できずに夜逃げするものがあとを絶ちませんでした。

「このままでは村が滅びてしまう。」

 穀田屋十三郎と菅原屋篤平治という二人の若者は宿場の将来を憂えました。
そして思いついたのが、宿場の資産ある人から財を募って千両(五千貫文・二億円くらいか)の金を作って財政難の仙台藩に貸し、利息を取って伝馬の費用に充てるという奇想天外のアイデアでした。

 二人はなけなしの財産から五百貫文という大金を出しました。
宿場の将来のためにすることであり、出資者には何の見返りもないことですので率先して誠意を示さなければなりません。
それでもというか、当然にというか協力者は少なく、目標にはほど遠い状態でした。
ところが、十三郎の実家が家産のすべてを出して協力することにより、ついに千両相当の金を集め、その後も困難の連続ではありましたが当初のもくろみを達成できたのです。

 実は、十三郎の父親は、はるか昔から十三郎と同じことを考え、守銭奴とののしられながらも金をためていたのです。
 
 この話のすごいところは、出資者9人が見返りを求めなかったことです。
金銭だけでなく、栄誉も求めない。
寄合では下座に座り、道は端を歩く。
それは子々孫々まで伝えられました。
このことが世に知られたのは、彼らの菩提寺の住職が記録にまとめたものが残されたからです。

 昔の日本人の偉さがよくわかります。
と同時に、私は自分をかえりみて恥じ入るばかりです。

 この話は、磯田道史著「無私の日本人」という本に収められ、さらに「殿、利息でござる」という映画になって現在上映されています。
どうぞご覧になってください。   
                  
                     平成28年6月11日 祥雲寺住職 安藤明之


十八日の朝詣りは午前6時から行います。

今年の春の祥雲寺

この春以降の祥雲寺の写真をいくつか載せます。
 

山本観音堂開扉法要。
 
 
 
市内山本地区で守ってきた観音様の年に一度の御開帳。

境内の西国三十三観音様の土台を割って育った石割の桜。


五月晴れの仏前結婚式


5月8日。人を招いてのお茶会。

月に二回、裏千家の鈴木先生ご指導で茶道教室を行っています。

今回は大勢の人に来てもらって練習したお点前のお披露目会

境内で石仏を彫刻している羅漢の会。
毎週土曜日が活動日。
 


5月~11月の月例写経会。
次は6月12日、午後2時からです。