元朝大祈祷。夜を徹して祈祷し、そのお札をお檀家に配っています |
一生の年月これ何ぞ必(ひつ)ならんや
万事(ばんじ)回頭(かいとう)するに得失(とくしつ)に非ず
(道元禅師の言葉)
明けましておめでとうございます。
この道元禅師の言葉は、四行からなる漢詩の前半です。
「人生において、こうすれば必ず幸運が訪れるという方法などありはしない。過ぎさったことを振り返ってみれば、これがうまくいった、これは失敗だったと決めつけることは誤りである。」という意味です。
我々が無常の世に生きている身であってみれば、よかれと思ってしたことも運悪く失敗の原因となってしまったり、失敗と思っていたことも長い目で見て人生の糧となっていたりすることは数多くあります。
要するに、人生を人間の知恵で解明することなど出来はしないのです。
さて、実はこの後が道元禅師の大切な教えで、詩の後半には、それかからこそ私たちは仏様の教えに適った善きことをなしていかなければならないとお説きになっています。
人生すべて運次第と思って、成り行き任せで生きていくか、日常の一刻一刻を大切に生きていくかは、人それぞれです。
しかし一所懸命生きていけば、たとえどんな運命が待っていようとも、人生の充実は残ります。
得るところ少なくとも、その得るところを軽んずるなかれ
(中村元 『真理の言葉・感興の言葉』より)
平成28年1月15日
祥雲寺住職 安藤明之
寒さが厳しくなっておりますので
十八日の観音様の朝詣りは
午前9時から行います。
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