2015年4月17日金曜日

27年4月観音朝詣りのお知らせ

今年の4月8日は雪の花祭りとなりました。


 天皇皇后両陛下は4月8日パラオを訪問し、翌日ペリリュー島の戦没者慰霊碑に供花されました。
供花のあと、間近に見えるアンガウル島に向かって深く礼をされていました。
昨年8月のこのお便りにも記しましたが、両陛下の慰霊はまことにありがたいことです。

 太平洋戦争有数の激戦となったパラオ諸島を守備したのは14師団です。ペリリュー島には水戸の第2連隊と高崎の第15連隊、アンガウル島には宇都宮の59連隊が配置され、いずれも玉砕しました。
祥雲寺のお檀家にもこの地で戦死された方がいます。

 日中戦争から太平洋戦争まで、お檀家の戦死された御霊は167。
改めて戦争の苛烈さを思います。

 いま、兵士になった人たちがこの世を去っていきます。兵士になった人たちのほとんどが大正の生まれです。
すべて数え年で90歳を越えたのです。
私にとっては親の年代の人たちです。

 兵士が戦闘のさまを語ることは、親子でもほとんどなかったでしょう。
しかし、戦争は戦闘だけでなく、社会全体が巻き込まれるものです。
欲望、残虐さ、人間の持つ狂気ともいうべき負の面が渦巻きます。
戦場となった地だけでなく銃後においてもです。

 「あんなことはあってはならない」という、幾度も幾度も聞いた親たちの言葉は大切にしなければなりません。

 私は、軍隊は持たなければならないと思っています。
子供時代、学生時代に声高に叫ばれていた非武装中立論は、今振り返ってみれば、非現実的なおとぎ話です。

 しかしそれでも、戦争を避けるという原則は崩してはなりません。
為すべきは戦乱、戦争を起こさず、巻き込まれず、追い込まれないように努力することです。

 不戦は、戦争の時代を生きた人たちの次に生まれた私たちの、第一の立場でなければなりません。

 平成27年4月15日
                       祥雲寺住職 安藤明之

十八日の朝詣りは午前6時から行います。

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