9月 境内に咲く彼岸花と本堂 |
東北地方は曹洞宗の寺院の多いところです。津波が押し寄せた海岸部にもたくさんの寺があります。伽藍が流されてしまった寺、住職が死亡した寺もあります。津波を免れた寺も、激震で大きな被害を受けました。
ところが、震災後のさまざまな支援の対象から、宗教施設は外されているのです。
高台にあって無事だった寺の多くが避難所になりました。
本堂や庫裡を被災者のために開放しました。住職家族の居住部分も削って被災者の役に立てました。震災直後の3月に、祥雲寺に救援を依頼してきた住職は、亡くなった人たちの葬儀を4月に延ばしてもらって、先ず生きている人たちの救援に奔走していました。
檀家の人はいわば身内ですし、危急の際には檀家に限らず地域のよりどころとなるという自覚が、寺の住職にはあります。
震災当時、宗教団体は救援活動に取り組みました。仏教の宗派やその支部に当たる宗務所、教区、宗派を横断する仏教会、そして一つ一つの寺院など、あらゆる単位で募金や托鉢を行って、その多くは中央共同募金会など公的機関に寄せました。
しかし寺院などは、これらの機関による復興支援の対象になっていません。まして援助特例法をはじめとする国、地方の法律・条令による支援も受けられません。
檀家の方々も被災した今回のような場合、寺院の復旧はたいへん困難です。曹洞宗として被災した宗門寺院への救援事業は行ってきましたが、その困難さに比べればほんの僅かな足しにしかなりません。
冒頭にあげたお施餓鬼の募金は、それでも頑張ってくださいという励ましです。
急なお願いに55,675円もの募金をいただいたことに感謝申し上げます。
平成26年9月15日
祥雲寺住職 安藤明之
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