祥雲寺陶芸教室入口 |
作陶風景 |
土地土地の風土を反映していて、旅行先で味わうのは楽しみです。
秋田のきりたんぽや、富山の鱒鮨、讃岐うどんなど全国に名をとどろかせているものもたくさんあります。
栃木県の郷土料理はなんといってもしもつかれ!
ところが評判はまことに悪い。静岡からむこに来た人が、
「人間のたべるものじゃない」とのたまっていました。
栃木の人間でも、食べない人はたくさんいます。
とくに若い人は敬遠する人が大部分じゃないでしょうか。
一般には、あの見た目が嫌いの原因になっていると思います。
何かによく似ていますものね。
かくいう私も、子供のころは食べたくなかった。
出されて残すのは厳禁でしたから我慢して食べたのですが、酒粕のにおいがいやでした。
おいしいと思うようになったのは酒をたしなむようになってからです。
本来、立春後の初午の日に造る料理ですから今が季節です。
材料の基本は大根、にんじん、大豆、塩鮭の頭、酒粕。
初牛はお稲荷さんですから油揚げも欠かせません。
大豆は節分の豆まきに使うもの。
冬の新巻鮭を食べ終わった残りの頭。
寒仕込みの新酒を絞った酒粕。
どれも捨ててしまっては勿体ない。
無駄にしないでおいしく使う工夫があります。
大根、にんじんは冬が季節。
鬼おろしで擂りますが男がやったほうが荒く砕けておいしいといいます。夫がやれば夫婦合作となる。
できあがったしもつかれは、野菜をおいしくたくさん食べることのできるまことにヘルシーな料理です。
かつて敬遠していた私は、今ではどんぶりでおかわりどころか鍋一杯食べかねません。
こんなおいしいものを、食わず嫌いでいるのはまことにかわいそう。
体にもいいですよ。
もしかして静岡にはおいしい野菜はないのかな。
平成27年2月15日
祥雲寺住職 安藤明之
十八日の朝詣りは午前9時から行います。