祥雲寺西国三十三番観音霊場朝詣り行事は今月で満20周年を迎えます。
住職を引き継いだとき、本道の周りに開眼されないままの33体の観世音菩薩石像が残されていました。観世音菩薩を信仰していた先代住職が発願して造立されたものが安置できぬままになっていたのです。
信心のこもったお像として安置したいとの思いから、平成元年から4年間かけて40人ほどの人たちと巡礼しました。いただいてきた各札所のお土を台座の中に収め、それぞれのお像に祈願の施主がついてくださって、すべての開眼が終わったのは平成5年5月でした。
最初は、私を含めてばらばらにお詣りをしていましたが、そろって毎月お詣りしようということになり、観音様の縁日である18日を選んで第一回が行われたのが、その年の10月です。
以来、一回も休むことなくこの朝詣りが続いてきたのは、多くの人のお陰です。
供える花は、足が不自由でお詣りすることができない壬生在住の方から欠かさず届けられています。開始時間の30分以上前に来て華を切りそろえ水桶を準備してくれる人、水桶を運んでくれる人、月ごとに絵馬札を準備してくれる人、おまいりの後のお茶のときの菓子やお茶請けを手作りしてもってきてくれる人。毎月これらの人たちが支えてくれてお詣りが続いています。
この霊場に年間を通していろいろな花が咲くように考えて植えてくれた人、アヤメや蓮を持ってきてくれた人のことも忘れられません。
そして、総長参加し手を合わせる善男善女。
20年間、真摯に祈り、季節の移ろいを楽しみ、なごやかにおしゃべりする。こんなに素晴らしい行事を続けられることこそが観音様の威神力に違いありません。
平成25年10月15日
祥雲寺住職 安藤明之
今月18日の観音様朝詣りは記念行事として
午前9時から行います。